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在留特別許可された事例について

平成18年6月
法務省入国管理局


在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について

1  在留特別許可の運用について
 入管法第50条に規定する在留特別許可は,法務大臣の裁量的な処分であり,その許否判断に当たっては,個々の事案ごとに,在留を希望する理由,家族状況,生活状況,素行,内外の諸情勢その他諸般の事情に加え,その外国人に対する人道的な配慮の必要性と他の不法滞在者に及ぼす影響とを含めて,総合的に考慮しています。
 在留特別許可制度については,これまでも上記の観点から適切な運用を図ってきているところ,在留特別許可処分の透明性を高めるため,同許可事例について,平成15年度26事例,同16年度28事例を公表してきました。今般,平成17年度に同許可された事例のうち,25事例を追加公表します(注1)。
 また,平成17年については,在留特別許可処分の透明性を更に高めるとの観点から,在留特別許可をされなかった事例のうち25事例についても併せて公表します(注2)。
 なお,事例については,今後も追加する予定です。
 (注1 )平成17年については,難民認定申請を行い,難民認定手続の中で在留特別許可をした事例については,入管法61条の2の6第4項の規定により,入管法第50条の規定が適用されず,難民認定手続の中で入管法61条の2の2の規定により許否の判断をするものであることから,これらの事例を除いています。また,平成17年,人身取引の被害者に対しては全員在留特別許可をしたことからこれらの事例も除いています。
 (注2 )注1と同様の趣旨から,難民認定手続の中で在留特別許可をしなかった事例については除いています。

4  平成17年 在留特別許可された事例


(事例1)
西南アジア出身の36歳男性
 1991年11月,在留資格「就学」在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。2000年頃から日本人女性と同居生活を営んでいたところ,2005年9月,入管法違反で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。当局収容中の同年10月,当該日本人女性と婚姻したところており,調査の結果,逮捕時点で同居実態が確認されるなど婚姻は真摯なものであると認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例2)
東南アジア出身の37歳女性
 1994年9月,日本人夫と婚姻し,同年11月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,その後,在留資格「日本人の配偶者等」への変更許可を受け,さらに2000年7月に永住許可を受けて在留していた。2002年4月,本人は覚せい剤取締法違反により懲役1年6月執行猶予3年の刑に処せられたが,当該日本人夫との間に2名の子(いずれも日本国籍)がおり,同夫は実刑を受けて収監されており,本人が子を扶養していること,刑罰法令違反は今回が初めてであり,十分反省していることが認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例3)
東南アジア出身の35歳女性
 1994年7月頃,偽造旅券を行使し,成田空港から不法入国した。1996年11月,日本人男性との間の子を出産し,2003年7月,当該日本人男性と婚姻した。婚姻後に日本人夫が子を認知し,当該子は在留資格「日本人の配偶者等」在留期間3年により在留している。本人は,在留期間の更新をしないまま,2005年2月,窃盗(万引き)により警察に逮捕され,同年4月,入管法違反及び窃盗罪により懲役2年8月執行猶予3年に刑に処せられたが,日本人夫は子を認知した頃から所在不明になっており,現在は本人が子を監護養育している事情が認められるほか,窃盗については十分反省していることが認められる。入管法違反及び窃盗罪以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例4)
東アジア出身の夫婦(62歳,60歳)
 夫は1991年10月,在留資格「短期滞在」在留期間「15日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。妻は1996年7月,貨物船に乗り込んで不法入国し,夫婦で同居生活を営んでいた。夫は本国において日本人父と外国人母との間に出生した日本人の子であり,夫の実兄は日本国籍を有している。当該夫婦は在留を希望し,夫婦で出頭申告した。夫婦とも入管法違反以外に法違反はない。
在留特別許可の内容:夫・在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」,妻・在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例5)
東アジア出身の32歳男性
 2004年1月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,その後,在留資格「就学」により,在留していたが,2005年7月以降,通学しなくなり,在留期間内の2005年9月,飲食店従業員として就労しているところを資格外活動容疑により当局の摘発を受けた。同人は2005年7月に日本人妻と婚姻しており,調査の結果,同居実態が確認された上,裁決時点では当該日本人妻は妊娠中であるなど婚姻は真摯なものと認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例6)
南米出身の35歳男性
 1994年11月,日系二世として在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「3年」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。2005年9月,入管法違反により警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。父母等は本国にいるものの,同時入国した姉(日系二世)は,その後永住許可を受けて本邦に在留している。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例7)
東アジア出身の45歳男性
 1992年5月,在留資格「就学」在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に入国し,在留期間更新許可を受け在留していたが,日本語学校を卒業後,在留期間更新許可を受けることなく不法残留した。不法残留後,不法残留事実を隠して研究生・聴講生として複数の大学等において真摯に研究活動(芸術系)を行うとともに,ボランティア活動を行っていた。大学院で研究活動の継続を希望してして出頭申告した。芸術家としての将来性も見込まれた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「留学」在留期間「1年」


(事例8)
東南アジア出身の46歳女性
 1988年2月,他人名義旅券により不法入国し,1990年12月,退去強制された。2001年3月,自己名義旅券により,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。2003年10月,日本人夫と婚姻し,同居生活を営んでいたところ,2004年1月,在留を希望して出頭申告した。本人は過去に退去強制された経緯があるものの,調査の結果,同居実態が確認されるなど婚姻は真摯なものであると認められた。入管法違反以外に法違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例9)
東アジア出身の32歳女性
 2003年12月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。2004年9月頃から特別永住者として本邦で永住している男性と同居するようになった。2005年9月,クラブでホステスとして就労しているところを当局の摘発を受けて収容された。収容直後に当該男性との婚姻届出をしたが,調査の結果,収容以前からの,同人との同居実態が確認されるなど婚姻は真摯なものであると認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「永住者の配偶者等」在留期間「1年」


(事例10)
西南アジア出身の49歳男性
 2000年10月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,日本人女性との婚姻を理由に在留資格変更申請をしたが,その審査中に離婚したことから,在留資格変更不許可となり,そのまま不法残留した。不法残留中に在留資格「永住者」で本邦に在留している東南アジア出身の妻と婚姻し,当該妻及びその連れ子(日本国籍)とともに同居生活を営んでいた。在留を希望して出頭申告し,退去強制手続中に入管法違反により警察に逮捕されたが,不起訴処分となった。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「永住者の配偶者等」在留期間「1年」


(事例11)
東アジア国籍の64歳男性
 1940年11月,本邦で出生した外国人で,1972年8月に永住許可を受け,その間に同国籍の妻と婚姻し,3名の子をもうけて在留していた。1999年12月,詐欺罪(無銭飲食)により懲役1年10月の実刑に処せられ,満期出所後,2002年7月,在留資格「定住者」在留期間「1年」により在留特別許可を受けた。その後2回,詐欺罪により実刑に処せられたものであるところ,本人は本邦で生育しており,兄弟・子は本邦に在留し,本国には頼るべき親族がないほか,本人は過去に脳梗塞・心筋梗塞等を患ったこともある。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例12)
東アジア出身の20歳男性
 1993年11月,同国籍の父とともに在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま父とともに不法残留した。本人は,本邦にある小学校に編入後,中学校・高等学校を卒業し,現在,本邦の大学において勉学中であるところ,その間に父が所在不明となったが,在留資格「永住者」で本邦に在留する同国籍の祖母の下で生活している。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例13)
東南アジア出身の66歳女性
 2004年1月,永住者として本邦に在留中の娘を訪問するため,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて入国し,そのまま不法残留した。不法残留後,心臓病であることが判明し,本邦において手術を受け,本国において今後の治療が困難であることが認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「特定活動(指定する活動:病気治療)」在留期間「1年」


(事例14)
東アジア出身の44歳女性
 1987年11月,在留資格「4−1−4」(現在の「短期滞在」に相当)在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,日本人(前夫)と婚姻を理由に在留資格「日本人の配偶者等」に変更許可を受けて在留していた。1994年頃,日本人前夫が家出し,行方不明になったため,在留期間更新許可を受けることなく不法残留した。日本人前夫が長期間行方不明であったため,2000年7月,日本人前夫と離婚が成立した。一方,2000年5月頃,別の日本人男性と同居するようになり,2003年5月,同人と婚姻し,同年9月,在留を希望して出頭申告したが,退去強制手続中の2004年9月,夫が病死した。本人と亡夫との婚姻は真摯なものであり,亡夫の親族との交流も認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例15)
西南アジア出身の26歳男性
 1997年10月,貨物船に乗り込んで不法入国し,不法に在留していた。2004年7月,日本人妻と婚姻し,その連れ子とともに同居生活を営んでいたところ,同年8月,本邦への在留を希望して出頭申告した。退去強制手続中に入管法違反により警察に逮捕され,懲役2年執行猶予4年の刑に処せられたが,調査の結果,同居実態が確認されるなど婚姻は真摯なものであると認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例16)
東南アジア出身の24歳女性及び7歳の子
 1995年4月,在留資格「興行」在留期間「3月」の上陸許可を受けて本邦に入国し,1回は在留期間更新許可を受けたが,その後不法残留した。不法残留中に日本人男性との間の子を出生した。当該日本人男性とは婚姻に至らなかったものの,2002年,子の認知を受け,在留を希望して出頭申告した。本人が当該子を監護養育している。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:母・在留資格「定住者」在留期間「1年」,子・在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例17)
東アジア出身の26歳男性
 1998年4月,在留資格「留学」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に入国し,在留期間更新許可を受けて在留していたが,勉学していた大学を2004年9月に卒業し,その後会社へ採用されていたにもかかわらず,在留期限までに在留資格変更申請を行わなかった。在留期間経過の直後に出頭申告したものであり,仮に,在留期間内に在留資格変更申請を行っていれば許可された内容であった。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「人文知識・国際業務」在留期間「1年」


(事例18)
東南アジア出身の母子(41歳,12歳)
 A(母)は1987年6月,在留資格「4−1−9」(現在の「興行」に相当)在留期間「60日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。1989年頃から日本人男性と同居を開始し,1993年に子が出生した。子も法定期間内に在留資格取得許可を受けることなく不法残留した。日本人男性は日本人女性と婚姻しており,離婚しておらず,子の認知もしていないが,在留を希望して出頭申告した。子は本邦の小学校に入学し,小学6年生であり,Aは当該日本人男性と長年にわたり子とともに同居し,実質的な家庭関係にあると認められた。A(母)及び子とも入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例19)
西南アジア出身の家族4名(父(49歳),母(44歳),子(19歳),子(18歳))
 父は1990年8月,母及び2子は1991年3月にそれぞれ在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。一家は本邦に入国以来家族生活を営み,2子はいずれも本邦の小学校に編入又は入学後本邦で義務教育を修了し,大学生及び高校生となっている。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例20)
西欧出身の49歳男性
 1981年,西欧で日本人妻と婚姻し,同地で長男(日本国籍)をもうけた。1984年4月,在留資格「4−1−16−1」(現在の「日本人の配偶者等」に相当)在留期間「6月」の上陸許可を受け,日本人妻子とともに入国し,その後,同在留資格により在留期間更新許可を受け在留していたが,1991年3月頃,子の教育のため日本人妻は当該子を伴って西欧向け出国した。本人は妻子が出国する前に設立していた会社の経営を理由に「投資・経営」の在留資格に在留資格変更許可を受けたが,そのまま不法残留した。引き続き会社の経営すること,日本人妻の帰国後に一緒に生活することを理由に在留を希望して出頭申告した。日本人妻子は子の教育のために西欧に居住しているのであり,頻繁に電子メールで連絡を取り合っており,また,妻は年に1度は日本に帰国していることが認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例21)
東アジア出身の39歳女性
 1989年9月,在留資格「4−1−4」(現行法の「短期滞在」に相当)在留期間「15日」の上陸許可を受けて本邦に入国した後,日本人男性との婚姻を理由に「4−1−16−1」(現行法の「日本人の配偶者等」に相当)に在留資格変更許可を受けた。その後,同人と離婚したことが判明し,在留期間更新申請が不許可となり,1990年5月以降,不法残留した。その後,別の日本人男性と再婚したところ,入管法違反により警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。調査の結果,再婚相手の日本人との同居実態が確認されるなど婚姻は真摯なものであると認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例22)
東南アジア出身の49歳女性
 1985年7月頃,偽造旅券により不法入国した。インドシナ定住難民として在留資格「定住者」在留期間3年により本邦に在留していた夫(別国籍)と2000年頃から同居するようになり,2001年2月に本邦で婚姻し,その後も引き続き同居生活を営んでいた。2005年6月,入管法違反により警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」


(事例23)
東南アジア出身の38歳女性
 1997年7月,在留資格「興行」在留期間「3月」の上陸許可を受けて本邦に入国し,そのまま不法残留した。2002年8月に日本人男性と婚姻したところ,在留を希望して出頭申告した。裁決時点では当該日本人夫は刑務所に服役中であったが,本人は,夫が逮捕されるまでは夫と同居し,出所後も同居する意思を表明するなど婚姻は真摯なものであると認められた。入管法以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」


(事例24)
南米出身の31歳女性
 1992年6月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に入国し,日系三世の扶養を受ける子(父が日系三世)として「定住者」への在留資格変更申請をしたところ,扶養を受けること等に関する立証が十分でなかったことから不許可となったが,出国することなく不法残留した。その後,入管法違反により警察に逮捕されたが,不起訴処分となった。その後,本人の祖父が日本国籍を有することが判明し,父が日系二世,本人は日系三世に当たることが明らかになった。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」(本邦において出生し,不法残留となっていた子2名もその後在留資格「定住者」在留期間「1年」により在留特別許可)


(事例25)
南米出身の48歳男性
 1990年9月,他人名義旅券により,日系三世を装って入国し,定住者の在留資格により在留していたが,2001年7月,偽装日系人であることが明らかになり,在留期間更新申請が不許可となった。その間の1995年頃,日系三世として在留資格「定住者」で在留している同国人女性と本邦で同居生活を営み,2001年,同人との子(在留資格「定住者」)が出生した。2005年4月,入管法違反・道交法違反(スピード違反)により警察に逮捕され,同年7月,懲役2年6月執行猶予4年の刑に処せられたが,これ以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」


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